その資料、誰が届けますか? ー伝え方で変わる資料の作り方ー

資料作成のご相談をいただくとき、私が最初に確認することがあります。

「この資料は、どのように使いますか?」

この点を正しく捉えておくことは、資料の内容やデザインを考える上でとても大切なことだと考えています。
というのも、相手に伝えたい想いを「資料が届ける」のか、「人が届ける」のかによって、作り方がまったく変わってくるからです。

「資料が届ける」場合

メールに添付して送る資料や、ダウンロードしてもらう資料など、読み手が一人で目を通すタイプの資料です。
このような資料では、作り手が横にいて説明することができません。

だからこそ、資料自体がしっかりと語り、営業してくれる必要があります。私がこのタイプの資料で気をつけているのは、大きく2つです。

  • 最後まで読み進めてもらえる構成にすること

表紙だけ見て「あとで読もう」と机のわきに置かれてしまったら、読み手に伝えたいことが届きません。
冒頭で「この資料を読むと何がわかるのか」を示したり、読み手が気になるポイントを先に提示したりして、「次のページが読みたい!」と感じてもらえる流れを意識しています。

  • 読んだ後のアクションにつなげること

資料を読んで「なるほど」と思ってもらえても、そこで終わってしまっては次につながりません。
お問い合わせ先を明記する、次のステップを具体的に示すなど、読み手が「じゃあこうしよう!」「こうしたらいいんだな!」と行動に移せるようにしておくことが大切です。

もちろん、こちらから「読んでいただけましたか?」といったお声がけすることも大事ですが、資料を見た方から連絡をいただけると嬉しいですよね。

「人が届ける」場合

プレゼンや商談など、話し手がいる場で使う資料です。
このようなシーンでよくあるのが「話している間に資料に注目がいってしまう」という悩みです。

あなたはこんな経験、ありませんか?

  • 一生懸命説明しているのに、相手は手元の資料に目を落としたまま
  • 質疑応答になると、先に説明したことと少しずれた質問が返ってくる

これは、資料に全部書かれているために起きてしまうことなんです。

読めばわかる状態になっていると、聞き手は「読んだ方が早い」と感じてしまいます。
結果として、話し手の説明は耳に入りにくくなり、伝えたかったニュアンスや想いが届かないまま終わってしまいます。

そこで私がこのタイプの資料で心がけているのは「あえて全部書かないこと」です。
要点だけを示しておいて、「これはどういうことだろう?」「もっと詳しく聞いてみたい!」と思ってもらえる余白を残す。

そうすることで、聞き手は話に興味を持って耳を傾けてくれますし、自然と対話が生まれるようになるのです。

共通して大切なのは「読み手目線」

資料作成のご相談で多いのが、「あれも伝えたい、これも入れたい」というお悩みです。
伝えたいことがたくさんあるのは、それだけ想いがあるということ。とても素敵なことですよね。

でも、全部を盛り込んでしまうと、どこが大切なのかがぼやけてしまい、結局どれも印象に残らない…という残念な結果になりがちです。

  • 「資料が届ける」場合は、読み手が最後まで読んで、次の一歩を踏み出せる構成に
  • 「人が届ける」場合は、聞き手に興味を持って話を聞いてもらえる構成に

どの資料でも、届けたい相手の立場に立って考えることが原点です。
「この資料を受け取る人は、どんな状況で、何を知りたいと思っているだろう?」
そう考えながら作ることで、想いがちゃんと届く資料になっていくのだと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!